工場出荷時弦のフォスファーブロンズライトゲージ以外の弦ゲージを使うことはできますか?
はい。ゲージを変更しても、通常はトラスロッドを再調整する必要はありませんが、ゲージをかなり太くしたり細くしたりすると、工場出荷時とネックにかかるテンションが異なるため、調整が必要になる場合があります。弦のゲージを変更する際は、ギターが落ち着くまでしばらく時間を置き、必要であればArt & Lutherieオーソライズドディーラーにてトラスロッド調整をご依頼ください。
クリーニングには何を使えばいいのでしょうか?
ギター、特にトップにワックスベースの製品を使用しないでください。時間の経過とともに不要なワックスが蓄積し、トップが振動する妨げになります。ギター・ポリッシュを布に少量スプレーし(決してギターに直接つけないでください)、優しく拭き取ってください。指板については、弦を外し、オイルを布に含ませて指板に馴染ませることをお勧めします。数分間オイルを染み込ませ、余分なオイルを拭き取ります。これは、ローズウッドや黒檀の指板に限り、年に1回行うことで、指板をきれいにするだけでなく、ひび割れを防ぎ、光沢を長続きさせることができます。
Art & Lutherieは一般向けのケベック工場見学ツアーを行っていますか?
私たちの工場はケベック州のさまざまな場所にあるため、全てをまわるツアーとなると、約1000キロのドライブと少なくとも1週間が必要となります。将来的にはツアーを実施したいと考えていますが、現時点ではまだ開催していません。
トラスロッドとは何ですか?
トラスロッドは、ネックの内側、指板の下にある調整可能な金属棒です。トラスロッドは、湿度や弦のゲージの変化によるネックの変化を調整するために使用されます。Art & Lutherieのギターは、ダブルアクショントラスロッドを採用しています。
フレットの端がネックの横から突き出て来ました。なぜですか?どうすればいいのでしょうか?
木が呼吸する上で必ず発生する事象です。大きな故障ではありません。原因は湿度です。フレットの端が突出している場合は指板がわずかに乾燥して収縮したためです。フレットは金属(ニッケル/銀)なので、湿度の変化で収縮することはありません。フレットの手直しをご希望の場合はArt & Lutherieオーソライズドディーラーにてご依頼ください。
Art & Lutherieを旅行に持って行く場合、弦を緩めるべきでしょうか?
はい。移動の際は弦を緩めてネックのテンションを下げるようにしてください。ネックやヘッドにストレスがかからず、ギターケースを倒したり、強い衝撃があったときにヘッドストックに傷がつくことや折れてしまうことを防ぐことができます。
ウェザーチェックとは何ですか?
ウェザーチェックとは、激しい温度変化にさらされたギターの塗装に時折発生する、蜘蛛の巣のようなひび割れのことです。また、塗装が乾燥して脆くなった古い楽器にもよく見られます。私たちは長年にわたり、塗料業者と協力し、ある程度の弾力性を保ち、ウェザーチェックを起こしにくいラッカー配合を開発してきました。
トラスロッドはいつ調整すべきですか?
トラス・ロッドは、ネックが少し反ってきた際に調整する必要があります。反る原因は、常にネックにかかる弦の張力と湿度の変化が複合的に作用する為です。その二つの中でも最も重要なのは湿度です。木材は湿度の変化に反応し、水分を吸収したり吐き出したりします。その変化に対し逆の方向の力がかかるようにトラスロッドで調整を行います。
警告:トラス・ロッドを調整し過ぎると、ギターに修復不可能な損傷を与える可能性があるため、トラス・ロッドの調整はギター技術者のみが行ってください。