比較的身近な素材「炭素」でできた炭素繊維は、多くのシーンで活用されています。高い強度と弾力性を有し、密度が低いため非常に軽量です。また、時間とともに物質が変化する速度「クリープ速度」が低く組織が変形しにくい、さらには化学的にも変化、劣化しにくいという特徴があります。楽器において一番着目するところは「振動」です。Dr.Andreas Kellerは材料科学者として博士号を取得し、音響工学の産業分野で複合材料を使った機械部品のノイズを低減する研究をしてきました。この知識を管楽器の最適化に利用することができるのではと考え、エンジニア、音響デザイナー、音楽家とともに新しい技術を用いて開発したのがdaCarbo(ダ・カーボ)の管楽器です。「疲れにくい」ことが生み出すプレイヤーへの無限の可能性を私たちはお約束します。
「炭素」は私たちの身近な場面で活用されています。自動車や航空機、建設・建築業界を中心にスポーツやアパレル業界でも広く使用され、それぞれに重要な役割を果たしています。「炭素繊維」とは、炭素の含有率が極めて高い繊維を指します。主にはアクリル樹脂や石油、石炭からとれる有機物を繊維化し、特殊な熱処理工程を経て作られ非常に細かい繊維です。カーボン・ファイバー・コンポジット(CFC)は、ギターやフルート、バイオリンの弓など、現代の楽器製作において代替材料として受け入れらています。しかし、ある程度の美的配慮と音響効果に関する先入観のため、金管楽器へ応用されている例は多くありません。
私たちは、客観的分析の結果と音楽家の評価を比較するために、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団のメンバーを対象に演奏テストを実施しています。そこでは、これまでの常識、データ上でも演奏しやすいと評価されていたブラスより、CFCベルの方が全音域において演奏しやすいというメンバーからの評価が得られました。また、詳細な音響・振動測定をウィーン音楽大学の音楽音響研究所にサポートを依頼した結果、「カーボン」ベルは「ブラス」ベルよりもエネルギー出力が高いことを示しました。少ないエネルギーで演奏できるdaCarboは、楽な音量や音域のコントロールと表現のしやすさを実現、これまでよりも長時間演奏に集中することを可能にしています。