────早速ですが、今回『究極』作るに至った経緯から教えて頂けますか?
YUKI 河井(以下Y):YUKIの前身ブランドのAYAを宮本さんが使っていたこともあり、その頃から新商品の感想を聞いたりと、付き合いはありました。その中で私が宮本さんのプレイやサウンドがとても好きだったことと、宮本さんが私の作る音を気に入ってくれていたので、モデルを作ろうという流れになりました。
スティング宮本(以下M):昔から色々なアンプやプリアンプ、エフェクターを試してきた中でプリアンプというのはいつも課題でした。モデルの話を頂いた時、せっかくの機会だから自分の求めるプリアンプを突き詰めていこうと思い、製作に移りました。
────実際に作り始めてから完成まではどのくらいの月日を費やしましたか?
Y:企画からは10ヶ月程度、製作を開始してからは半年くらいですね。
────結構早い期間で完成しましたね!
M:2人の目指していた音の方向性が近かったので早く出来たのだと思います。 作って行く過程の中でMIDDLEやBLEND、チューナーOUTなどを付ける案も出ましたが、付けるか付けないかなどの2拓の際に意見が一致したのも早く仕上がった要因かと。
────今の話の中で本機はMIDDLEを付けない仕様となりましたがその理由は?
M:ツマミを少なくしたかったの一番の理由です。エフェクターを繋いだ時の音で8割方決めたかったので、その段階(繋いだ時)に必要なMIDDLEを元々入れました。その為、入れる必要が無くなったということです。
Y:だからこそバイパス音のダイナミックレンジにはかなり時間を費やしましたね。
────BLENDを入れていない理由は?
M:必ずしもBLENDがある必要は無いと考えます。BLENDを入れると位相の問題はもちろん、アタック感が減ると感じたため、アタック感を減らさないよう、MIDDLE同様、付けない仕様で音作りをしました。
────本機の音決めで一番時間をかけたポイントは?
M:僕はエフェクターを繋いだだけの時の音がいかにいい音かで全てが決まると思っています。なので、バイパスの時の音は細かくリクエストして何度も改良してもらいました。
Y:宮本さんからのバイパス音についてのリクエストの中で、音のポイントがオーディオ的な感覚に近いなど感じました。それからはオーディオ的に捉えて改良を施しました。
────ユーザーに試してもらいたい部分は?
M:全てですね!バイパス音、歪の音、各ツマミ全てを拘りました。どうせツマミをつけるなら、全てがちゃんと使えるツマミにしたかったので、しっかり音決めをしました。またサポート現場や曲調に合わせて右指のニュアンスや強弱が出るようにダイナミックレンジも広く出来ました。
────現在、主にどのステージで使用していますか?
M:今は常に使っています。ポルノグラフィティ、いきものがかりや個人活動、レコーディング等、全てに大活躍しています。ライブでは足元に2台置いて、ベース毎に使い分けています。
────この筐体の大きさに決めた理由は?
Y:最も大きな理由はサウンドです。そして本機がユーザーのエフェクトボードの中心になってもらいたく、存在感を出したかったので大きくしました!他人が足元を見て、すぐに『究極』だってわかるようにしたかったのです(笑)
────究極という名前に決めた理由や名前に込めた想いはありますか?
Y:外観を考えた際、漢字二文字がデザイン的に引き締まると思って試作機に『究極』と入れて宮本さんに見せたら宮本さんも気に入って頂いて、そのまま決まりました。
M:今回のモデルの製作過程で究極まで自分の音を突き止めたので、後付けですが、いいネーミングだと思います。
──── 今日はお忙しい中、本当にありがとうございました!
1963年3月25日に生まれ。1991年、熊本で結成したバンド「RIO」として東芝EMIよりメジャーデビュー。
95年解散後、J-pop を中心にベーシストとしてライブサポート&スタジオワークにて熱いPlay をウリに活動中。特に歌ものでのベースプレイの評価は高く、
アーティスト&アレンジャーからの指名が大多数を占める。2005年より「スティング宮本Bass スクール」を開講、バンドとソロ活動の経験を生かし、プロ志向、趣味、プロベーシスト等多様な生徒が在籍中。(参加アーティスト)ポルノグラフティaiko、いきものがかり、シングライクトーキング、加山雄三、清木場俊介(元EXILE)、馬場俊英、沢田研二、森山良子、シャ乱Q,モーニング娘。SMAP,山崎育三郎 等ほか多数順不同
スティング宮本公式サイト
http://www.sting-miyamoto.com/profile.html
基本全て12時のセッティングで既にバッチリなドライブサウンド!
ハイポジションに行ったときや演奏の熱が上がって来たピッキングに対してもどこまでもついてきてくれるので、ストレスがなく演奏に集中できるとても頼りになる。しかも音が潰れることがない、これはかなり重要!ナチュラルな歪み方からエグ目までセッティングの幅も広い。2番の歪みはよりハードで、プリアンプというよりも歪みペダルとしてくくって考えるとこちらの方が良いかもしれません。1、2番歪み共に嫌な歪み方や汚い音にはならないので、アンサンブル全体を大きく包み存在感のある音をアウトプットしてくれます。
僕はフェンダーの楽器を使う事が多いのですが、EQも決して痛いところのハイやミドルが持ち上がる抜け方ではなく、ジャズベ、プレベ共に美味しいくて欲しい帯域が持ち上がったので完全にやられました。単純に音の好みが似ているのかもしれませんが。(笑)楽器自体の持ち味をクラリティつまみで活かして、足りない部分をEQでいじるくらいでも十分だし各つまみも単純明快。さらに最近ではイヤモニ環境で演奏する現場が増えてきましたが、決して奥まる事無く目の前に張り付いたようなサウンドで、ライブでは回り込みも含めてアンプ背負っていなくても物足りなさが無くなったのが素晴らしいです。スティングさんのこれまでの経験と幅広い現場で培ってきたもの、そしてここに至るまで妥協無く試行錯誤を繰り返し完成したのが滲み出た究極のペダルです!
1981年6月6日生まれ、東京都葛飾区出身のベーシスト。幼少の頃から楽器に触れ合う機会が多く、小学校のブラスバンド部でトロンボーンを吹いたことをきっかけに音楽への興味が開花。14歳より独学でベースを弾き始める。2003年から加入したバンド、quasimode(クオシモード)の正式メンバーとして〈bluenote〉より3枚のフル・アルバムを、2015年9月、リーダー・アルバム『MIRROR』をリリース。又、aiko、東方神起、大橋トリオ、ポルノグラフィティ、ユーミンなど様々なアーティストのライヴやレコーディングに参加。エレクトリック、アコースティック・ベースのみならず、作曲、作詞、アレンジ活動と精力的な音楽活動を続けている。
須長和広公式サイト
http://kazz.arrow.jp